坐骨神経痛と歩き方の関係？正しい歩行法で痛みを和らげる方法

坐骨神経痛は多くの人が経験する厄介な痛みです。しかし、知らず知らずのうちに間違った歩き方がその原因や悪化の一因になっていることも少なくありません。この記事では、鍼灸師・整体師の視点から、坐骨神経痛に良い歩き方とその改善方法について詳しくご紹介します。

坐骨神経痛とは何か

坐骨神経痛の原因と症状

坐骨神経痛は、身体最大の神経である坐骨神経が圧迫または刺激されることで発生します。この痛みは腰から始まり、臀部を通って足にかけて放散することが一般的です。原因としては、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、坐骨神経を圧迫する筋肉（例えば梨状筋症候群）などが挙げられます。

症状は、腰痛、足のしびれや痛み、時には歩行時の痛みや不快感として現れます。これらの症状は日常生活、特に歩き方に大きく影響を与えます。不適切な歩行は坐骨神経への圧迫を増やすことがあり、痛みの悪化や症状の持続につながる可能性があります。逆に、適切な歩行方法を身に付けることで、これらの症状の軽減や予防に繋がることが期待できます。したがって、坐骨神経痛を抱える人にとって、正しい歩き方を理解し実践することは非常に重要です。

間違った歩き方が引き起こす問題

不適切な歩行が坐骨神経に与える影響

坐骨神経痛の治療において、適切な歩行法の重要性は非常に高いです。長時間同じ姿勢でいること、特に座位や仰向けの姿勢は坐骨神経痛の再発や悪化の原因となります。これは、腰や坐骨神経に負担がかかるためです。また、重いものを持ち上げたり、腰をひねる動作も、腰に負担をかけ、神経を圧迫することで痛みを増強させる恐れがあります。

日常生活での動作、特に立つことや長い時間歩くことが難しくなることもあり、これは下肢のしびれや痛み、脱力感が原因です。坐骨神経痛では、「間欠性跛行」という症状が見られることもあり、これは歩行中に痛みやしびれが生じ、一時的に休むと再び歩けるようになる状態です。

ウォーキングは坐骨神経痛の改善に有効ですが、正しい姿勢で行うことが重要です。特に腰部椎間板ヘルニアの場合、腰を丸めたまま歩くと椎間板に負担がかかり、痛みが生じやすくなります。足がしびれている場合はウォーキングを控え、痺れが改善してから正しいフォームでの歩行を始めることが推奨されます。

坐骨神経痛で歩けない期間は、神経圧迫のレベルによって異なります。軽度の場合は数日から1週間、重度の場合は数週間から数ヶ月の安静が必要になることがあります。坐骨神経痛が進行すると、痛みやしびれが強くなり、最終的には歩行困難に至ることもあるため、早期の治療が重要です。

坐骨神経痛に優しい歩き方

痛みを和らげるための歩行法

坐骨神経痛に適した歩き方と、それを身につけるための具体的な方法を紹介します。

坐骨神経痛に適した歩き方として、重要なのは背筋を伸ばしたまま上半身を前に傾けることです。この動作を10秒程度キープすることで、坐骨神経痛の症状緩和に効果的です。ただし、背筋が伸び切っていない状態で首や胸だけが前に倒れていると、股関節が動かないため、適切な効果が得られません。これらのストレッチは痛みのない範囲で行うことが重要です。

坐骨神経痛の一因である梨状筋や梨上筋が硬くなることにより、坐骨神経が圧迫されることがあります。これらの筋肉の緊張を和らげるための体操が有効です。運動不足や長時間の座りっぱなしはこれらの筋肉の硬化を引き起こし、坐骨神経痛を引き起こす原因となるため、適切な運動による坐骨神経の圧迫解放が症状緩和に繋がります。

坐骨神経痛の治療としてのウォーキングでは、1日1度は歩くことが推奨されます。ウォーキングの強度は、1日に1万歩以上を目標に設定し、最初は10分間連続で歩くことから始めます。歩く際には、腰や脚に痛みが出ないように注意し、特に腰部椎間板ヘルニアの場合は腰を丸めたまま歩くと椎間板に負担がかかり痛みが生じる可能性があるため、正しい姿勢での歩行が重要です。お腹を引き締めて立った状態から、足の親指と小指に重心をかけて歩みを進めるのが基本で、歩幅を大きく取りながら足指に力を入れて地面を蹴ることを心掛けることが効果的です。

できるだけ、プールで水中ウォーキングから始める事をオススメしています。

日常生活での注意点

坐骨神経痛を予防する生活習慣

坐骨神経痛を予防するための日常生活でのポイントや、健康な歩行を維持するための習慣についてアドバイスします。

坐骨神経痛を予防するためには、日常生活における習慣の見直しが重要です。以下は、坐骨神経痛の予防に効果的な生活習慣のいくつかです。

正しい姿勢を保つ: 正しい姿勢を保つことは、坐骨神経痛を予防するために非常に重要です。姿勢の悪さは脊椎に不必要なストレスを加え、坐骨神経を圧迫する可能性があります。特に長時間の座位や立位での姿勢に注意し、定期的に姿勢を変えることが推奨されます。
適度な運動: 適度な運動は、坐骨神経痛の予防に有効です。筋肉が活発になると、全体的な健康状態が向上し、神経への負担が軽減されます。お尻の周囲の筋肉やハムストリングスなどのストレッチが特に有効で、体が温かいときに行うと効果が高まります。
生活習慣病の改善: 肥満や生活習慣病（例えば糖尿病、高血圧、高脂血症）は、坐骨神経痛を引き起こす可能性があります。これらの状態は、食生活の改善や適度な運動によって予防・改善が可能です。健康的な体重を維持し、定期的に健康診断を受けることが重要です。
荷物のバランスを考慮する: かばんや買い物袋などの荷物を持つ際には、片方の手だけでなく両手でバランスよく持つことが重要です。片方の手だけで重い荷物を持続的に持つことは、姿勢の不均衡を引き起こし、坐骨神経痛の原因になり得ます。
適切な靴を選ぶ: 外出時は、足に負担をかけない歩きやすい靴を選ぶことが大切です。歩きにくい靴は姿勢の崩れにつながり、それが坐骨神経痛の原因になる可能性があります。快適な履き心地の靴を選ぶことで、足や腰への負担を軽減できます。