月経の随伴症状としての障害。特に疼痛が強く、日常の作業を妨げる様な程度を月経困難症という。この分類は種々あるが次のような分け方もある。
原因
機能性月経困難症
子宮発育不全などのために子宮膣が小さく、または子宮筋の発育が不良であるために伸展性に乏しく、月経血が一時に貯溜するため子宮壁が強く拡張されることが原因という考えもある。
機械的月経困難症
子宮口の狭小、子宮口の癒着、頸管の狭搾、子宮の強前屈、後屈、子宮内腫痛の場合に月経血の流出が妨げられて起こる。
神経性月経困難症
神経質の方、感受性の強い人に多い。 月経初潮の頃に受けた性的無知による月経来潮に対する恐怖心などが潜在意識となって月経困難症を招致することもあるといわれている。
膜様性月経困難症
通常月経時に剥脱した子宮内膜は細片となって融解せられて子宮外へ血液とともに流出するものであるが、まれにこの内膜が融解されないで原形を伴ったままで、また大片として排出されることもある。しばしば激しい下腹痛を伴う。
炎症性月経困難症
子宮内膜炎、子宮筋層や附属器などの炎症。卵管や卵巣の膿瘍、骨盤腹膜炎や骨盤結合織炎といった炎症によっておこる。
腫瘍性月経困難症
子宮筋腫、附属器腫瘍、子宮壁内の子宮内膜症などによっておこる。
症状
疼痛は下腹部痛が最も多く、次に腰痛である。陣痛様あるいは痙攣性または発症製の痛み、鈍痛などもある。また疼痛の程度も種々であり、一定していない。多くは月経前の12~24時間前からくる。機能性のものは月経初日か2日目で症状は軽快するがそれ以外の器質的月経困難症では月経終了まで疼痛が持続することが多い。
治療法
原因療法をメインとして対症的な治療をする。
鍼治療では、除痛・止痛効果が極めて有効であり、定期的に行えば予防としても効果がある。