「病院で検査を受けたけど異常なし。でも腰はずっと痛い…」そんな経験、ありませんか?原因がはっきりしない腰痛に悩む方はとても多く、日常生活や仕事に支障をきたすほど深刻な問題になることもあります。
実は、こうした“原因不明の腰痛”の多くは、筋肉・筋膜・姿勢の歪み・ストレスなど、画像診断では映らない要因が潜んでいることがあります。この記事では、鍼灸師・整体師としての臨床経験をもとに、見落とされやすい腰痛の本当の原因とその対処法について解説します。
- 検査で異常が見つからない「原因不明の腰痛」の正体と背景
- 筋膜・自律神経・ストレスなど、腰痛の見えない原因について
- 鍼灸師・整体師が行う根本原因の見極め方とアプローチ
- 実際に改善した腰痛症例とその施術内容
- 病院・整体・鍼灸院の役割と、相談先の選び方のポイント
目次
なぜ『原因不明の腰痛』は増えているのか?
「腰が痛いのに、検査をしても何も異常が見つからない」――そんな患者さんが、ここ数年で明らかに増えています。私たち鍼灸師・整体師の現場でも、「病院では原因がわからなかったけど、どうしても痛みが続く」という相談を受けることが多くなりました。
腰痛の約85%が「非特異的腰痛(原因が特定できない腰痛)」であるとされており、これは骨や神経に明らかな異常がないにもかかわらず痛みが生じている状態を指します。こうしたケースでは、筋肉や筋膜、姿勢、ストレスなど、画像には映らない“隠れた原因”が関係していることが少なくありません。
特に現代社会では、長時間のデスクワークやスマホの使用、慢性的な睡眠不足やストレスなど、身体と心に負担をかける生活習慣が日常化しています。これらは身体のバランスを崩し、知らず知らずのうちに痛みの原因を作り出しています。
生活習慣の変化が「隠れ腰痛」を招く
私たちが施術の現場で感じるのは、原因がはっきりしない腰痛の多くは、実は日々の生活スタイルに起因しているという事実です。たとえば、座りっぱなしの仕事をしている人は、骨盤周りの筋肉が硬くなりやすく、血流が滞ることで痛みを感じやすくなります。
また、スマートフォンを長時間見ることで猫背になり、背骨の自然なカーブが失われて腰への負担が増加します。このような“姿勢の歪み”は、レントゲンでは明確に映らないため、見逃されやすいポイントです。
ストレスも見逃せない腰痛の原因
ストレスによって交感神経が優位になり、筋肉が緊張状態になったまま固まってしまうこともあります。この状態が続くと、身体はリラックスできず、常に筋肉が張った状態となり、痛みとして現れてしまうのです。
このように、「原因不明の腰痛」は決して原因がないわけではなく、**従来の検査では見つけにくいだけ**で、多くの場合、生活の中にヒントがあります。次の章では、もっと具体的に“見えない原因”について掘り下げていきましょう。
レントゲンやMRIでは異常なし?その“見えない原因”とは
「検査では異常がないと言われたのに、腰の痛みはなくならない」。そんな状態に不安を感じ、私たち鍼灸院や整体院を訪れる方は少なくありません。実は、こうしたケースの多くは、画像検査では映らない要因が深く関係しています。
レントゲンやMRIは、骨の異常やヘルニア、腫瘍といった構造的な問題を発見するのには非常に有効です。しかし、筋肉・筋膜・神経の微細なトラブルや、自律神経のバランス、ストレスによる身体反応までは捉えきれません。
つまり、「異常なし」という診断は「何も問題がない」という意味ではなく、医療機器で検出できる異常が見つからなかったというだけなのです。以下で、その見えない原因について詳しくご紹介します。
筋膜の癒着とトリガーポイント
筋膜とは筋肉を包む膜状の組織で、全身をつなぐネットワークのような役割を果たしています。姿勢不良や繰り返しの負担で筋膜が癒着すると、周囲の動きが制限され、痛みや張り感の原因となることがあります。
また、押すとズーンと響くような痛みが出る“トリガーポイント”も、原因不明の腰痛の大きな要因のひとつです。これらはレントゲンでは検出されませんが、触診や手技によって評価・解消が可能です。
自律神経の乱れと内臓の関係
自律神経の乱れによって、筋肉が過緊張状態になったり、血流が低下したりすることがあります。とくに慢性腰痛の場合、交感神経が過剰に働き、筋肉がこわばった状態が続くこともあります。
また、東洋医学では内臓の不調が腰に現れると考えます。たとえば「腎」が弱っているときには、腰の重だるさや冷えを感じやすくなるのです。こうした見立ては、問診や脈診・腹診などを通じて初めてわかるものです。
心理的ストレスと痛みの関係
心と身体は密接に関係しています。強いストレスがかかると、筋肉が無意識に緊張し続け、それが痛みとして蓄積していきます。とくに責任感が強い人や我慢しやすい性格の人は、知らず知らずのうちに身体を固めてしまう傾向があります。
このような「心因性の痛み」は、単なるマッサージでは改善が難しく、深層筋へのアプローチや心身両面のケアが必要です。鍼
鍼灸師・整体師が見抜く『本当の原因』
「病院では異常なし。でも痛い」。そんな腰痛に対して、私たち鍼灸師や整体師は、“構造”と“機能”の両面から身体を評価し、本当の原因を探っていきます。なぜなら、腰痛の根本的な原因は「腰そのもの」にあるとは限らないからです。
たとえば、骨盤の傾きや肩甲骨のズレ、足首の硬さが原因で全身のバランスが崩れ、その結果として腰に負担が集中していることもあります。痛みが出ている場所=原因の場所ではないという視点が重要なのです。
ここでは、私たちが施術の現場で見抜く「見逃されがちな本当の原因」について、東洋医学的な観点も交えてご紹介します。
東洋医学でみる“気・血・水”の滞り
東洋医学では、身体の中を流れる「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスが崩れると、痛みや不調が現れると考えます。腰痛もその例外ではなく、特に「気」の流れが滞っていると、腰に“重だるさ”や“鈍痛”を感じることが多くなります。
鍼灸では、こうした流れを整えるために、腰そのものだけでなく、肝・腎・脾などの内臓経絡にアプローチすることで、全身の巡りを整え、根本改善を目指す施術が可能です。
骨盤や背骨のわずかなズレと筋肉バランス
整体師の視点では、骨盤や背骨の微細な歪みも見逃せません。たとえば、骨盤が片方に傾いていたり、仙腸関節にわずかな可動制限があると、それを補おうとして腰の筋肉に過剰な緊張が生じ、痛みを引き起こします。
また、腹筋や背筋のアンバランス、左右の足の筋力差なども腰痛の原因となります。整体ではこうした“全身のつながり”を評価し、必要に応じて調整を行います。
生活背景と問診の重要性
私たちが特に重視しているのが「問診」です。たとえば「どんな時間帯に痛むか?」「天気との関係は?」「ストレスを感じる場面は?」など、生活の中に隠れたヒントがたくさんあります。
このような詳細な聞き取りを通じて、身体だけでなく心や環境面も含めた総合的な視点で原因を探ることで、より精度の高いアプローチが可能になるのです。
痛みが改善した事例紹介(実際のケースから)
ここでは、実際に当院で施術を受けた方の中から、「原因不明の腰痛」が改善した事例をご紹介します。いずれもレントゲンやMRIでは異常がなく、「仕方ない」とあきらめかけていた方々ですが、原因を丁寧に探ることで根本からの改善につながりました。
患者さん一人ひとりに異なる“腰痛の背景”を見極めることが、的確なアプローチにつながります。同じようにお悩みの方の参考になれば幸いです。
※個人情報保護の観点から、症状や背景は一部変更していますが、施術内容と結果は実際にあったものです。
事例①:デスクワークによる筋膜性腰痛
40代・女性・事務職。長時間のデスクワーク後に腰の重だるさが出現。病院では異常なしとの診断を受けたが、痛みが続き当院を受診。
触診により、腰部から臀部にかけて強い筋膜の硬結とトリガーポイントを確認。鍼灸にて筋膜リリースと経絡調整を行い、週1回の施術を3週間実施。姿勢指導も併用。
初回施術後から腰の重さが軽減し、3回目で痛みがほぼ消失。現在は月1回のメンテナンス通院中。
事例②:自律神経の乱れによる慢性腰痛
30代・男性・営業職。1年以上にわたり腰痛が慢性的に続いていたが、検査では異常なし。睡眠の質が悪く、常に疲労感を感じていた。
問診で強いストレス環境(仕事量・人間関係)にあることが判明。自律神経の過緊張による腰部筋のこわばりと推定し、鍼灸による自律神経調整をメインに施術。
施術5回目で明らかに睡眠の質が改善。腰痛も日常生活で感じにくくなり、「毎日痛みのことを考えなくて済むようになった」という声をいただいた。
事例③:運動不足と冷えが原因の“隠れ腰痛”
50代・女性・主婦。特にきっかけのない腰痛が3か月続いていたが、整形外科では異常なし。足先の冷えとむくみもあり。
東洋医学的観点から「腎の虚」と「気血の滞り」を判断し、温灸・鍼・指圧を中心にアプローチ。日常生活での軽い運動(ストレッチ)と水分補給も指導。
2週間後には痛みが半減、冷えと腰のこわばりが緩和。現在はセルフケアで安定状態を維持中。
どこに相談すべき?病院と整体・鍼灸院の違い
腰に痛みを感じたとき、まず「整形外科へ行くべきか?整体や鍼灸もありなのか?」と迷う方は多いでしょう。それぞれの機関には得意分野があり、腰痛の種類や状態によって選ぶべき場所も異なります。
まず前提として、急性の激しい痛みやしびれ、発熱を伴う場合には、まず病院での診断が必須です。圧迫骨折や内臓疾患が原因であるケースもあり、見極めが必要です。
一方で、検査では異常が見つからない慢性的な腰痛や、繰り返す違和感、ストレス起因の症状などは、整体や鍼灸の専門性が生きる分野でもあります。それぞれの違いや特徴を整理してみましょう。
病院(整形外科)の役割と特徴
整形外科では、骨・関節・神経などの構造的異常を確認し、必要に応じてレントゲンやMRIなどの画像検査を行います。外傷やヘルニア、重篤な疾患が疑われる場合は、まず病院での診察が適切です。
ただし、画像に異常がない「非特異的腰痛」の場合、処方されるのは湿布や痛み止め、もしくはリハビリ指導が中心になる傾向があります。こうしたアプローチが合わない場合は、他の視点が必要になることもあります。
整体・鍼灸の役割と強み
整体院や鍼灸院では、構造的な歪みや筋肉の状態、経絡や自律神経のバランスといった「検査では見えない部分」にフォーカスしてアプローチします。特に、慢性的な腰痛やストレス由来の症状に強みがあります。
一人ひとりの体質や生活習慣に合わせた“オーダーメイド施術”ができるのも、手技療法や東洋医学の大きな利点です。対話を重ねながら原因を探っていくことで、再発防止にもつながります。
併用はアリ?どちらを選ぶべき?
実際には、病院と整体・鍼灸を「併用」している方も多くいます。たとえば、病院で重篤な異常がないことを確認した上で、鍼灸や整体で慢性的な痛みにアプローチするという使い分けが効果的です。
大切なのは、“痛みを放置せず、今の自分に合った選択肢を知ること”です。まずは気軽に相談できる専門家を見つけてみることをおすすめします。
まとめ:あなたの腰痛も『原因』はあるかもしれない
ここまで、「原因不明」と言われる腰痛について、鍼灸師・整体師の視点からさまざまな原因と対処法を紹介してきました。画像検査で異常が見つからない場合でも、痛みがある以上、そこには何らかの原因が必ず存在します。
痛みは、あなたの身体が発している大切なサインです。「原因がわからないから…」とあきらめず、自分の体と丁寧に向き合うことが、根本改善への第一歩になります。
もしあなたが今、「もう何をしても良くならない」と感じているなら、少し視点を変えてみてください。整体や鍼灸のような“見えない部分”にアプローチできる専門家が、あなたの腰痛に新しい光を当てられるかもしれません。
信頼できる施術者に出会うために
どんな施術法も、最終的には「誰に診てもらうか」がとても重要です。丁寧に話を聞いてくれる、無理な施術をしない、生活全体を見てくれる——そんな信頼できる施術者と出会えれば、腰痛の改善だけでなく、健康意識も大きく変わるでしょう。
まずは一歩、踏み出してみてください。あなたの腰痛には、きっと“本当の原因”があるはずです。
桜山鍼灸整骨院
【住所】
〒249-0005 神奈川県逗子市桜山4丁目2−25 杉山ビル 1F左号
【電話】0468737863
- 原因不明とされる腰痛の多くは、筋膜・姿勢・ストレスなど画像検査では見えない要因が関係している
- 鍼灸や整体では、筋肉・経絡・骨格のバランスから根本原因を見つけ出し、全身の調整を行う
- 生活習慣や自律神経の乱れが腰痛の引き金となるケースも多く、東洋医学的な視点も有効
- 実際に施術を受けて改善した症例があり、継続的なケアによって再発防止も期待できる
- 病院と手技療法にはそれぞれ得意分野があり、状態に応じて相談先を選ぶことが大切







